はやり目について

はやり目とは

「はやり目」とは俗称であり、流行性角結膜炎のことです。これはウイルス性結膜炎の一種で、アデノウイルスという病原体によって発症します。はやり目の発症は夏季に多く、また1~5歳くらいの小児に多いとされていますが、成人も含む幅広い年齢層に見受けられます。

はやり目のイメージ

はやり目の症状

症状としては、結膜が充血し、たくさんの目やにや涙が出て、まぶしい、目が痛む、などの症状を伴うこともあります。アレルギー性結膜炎とは違い、痒みはほとんどありません。耳の前や顎の下にあるリンパ節が腫れることもありますし、結膜(白目の一番表面を覆っている粘膜)に白い炎症性の膜が生じることもあります。特に小さなお子さんに生じやすいようです。

この病気の潜伏期は約1週間~10日です。最初は片目だけに発症しても、数日のうちに、もう片方に症状が出ることがあります。通常、発症してから約1週間に病状のピークがあり、その後徐々に改善してきます。炎症が強い場合ですと、黒目(角膜)の表面に小さな濁りが残ることがあります。これは時間の経過とともに次第に消失していきますが、ステロイドの目薬を使うことがあります。

はやり目の治療

特効薬はありませんが、不快な症状を和らげる目的で、炎症を鎮める非ステロイド性抗炎症点眼薬やステロイド点眼薬が使用されます。また、抵抗力が落ちている結膜に細菌が感染しないように、抗菌点眼薬が予防的に使用されるケースもあります。

症状は、ウイルスに対する体の抵抗力がついてくるに従って徐々に治まり、3週間~1ヶ月くらいで治癒します。

はやり目の感染予防

はやり目は、「学校保健安全法」により、感染力が無くなったと医師が判断するまでは学校に登校できない疾患に指定されています。大人の場合も、感染を広げないために出社は控えます。アデノウイルスは、非常に伝染性の強いウイルスであり、主に手を介して伝染します。はやり目を家族等にうつさないために、以下の点に注意しましょう。

  • ● 目を手でこすらない
  • ● 目を手やタオルで拭かず、ティッシュペーパーなどの使い捨てを使用する
  • ● 患者様とそれ以外の人で、手や顔を拭くタオルを別にする
  • ● 患者様もその家族も、流水でよく手を洗うようにする
  • ● 入浴の際は、患者様が最後に入る など